2000年以降、各企業において、サプライチェーンマネジメント(以下SCMとする)のシステム導入が進みましたが、今、SCMは、「やり直し」の大波の時期にあるといえます。SCMの現状を一言で表現すると「まったくできていない」状態です。
SCMには大別すると3つの階層があります。まず、一番下の階層にトラックや配送センターなど商品を移動させる実物流としてのインフラがあります。その上に受注、出荷指示、在庫補充などの実行指示系統。そして、それら全体に対する計画の仕組みの3つです。本来は最上位にある全体計画までを含めたマネジメントを行わなくてはいけないのが、実物流と実行指示をどのように行うかという、オペレーションに留まっていたのが実態です。ともて、サプライチェーン・“マネジメント”になどなっていないのが実態です。
そもそも、企業がSCMを導入しようと考えた当初から、コンセプトを間違えていました。システムさえ導入すればサプライチェーンを自動化できると。しかし、これは大きな誤りです。販売計画、在庫、生産、購買など、どのプロセスを取ってみても、そこには人間の意思が介在します。販売であれば、「ここまで売上を伸ばしたい」、工場であれば「これくらいの生産規模にしたい」など・・・(続きを読む) |