戦後、たらいが洗濯機になり、箒が掃除機へと日本では技術革新が進みました。こうした時代の生活向上にあこがれる消費者はたとえ価格が高くても買います。また、消費者自身は商品に関する知識がないので、店員の意見や広告によって買いました。ところが、技術革新が進み、製品が成熟すると同時に市場も成熟化。それにともない、スーパーマーケットが急成長し、流通業者が力をつけるようになることでメーカーに対する価格値下げ圧力が高まってきました。
そんな折、バブルが崩壊。安売り競争へ突入しました。メーカーは安売りの原資としてリベートを小売りから要求され、疲れ切っていた。そうした中、きちんとした価格で利益を出して売ろうとする動きが出てきました。価値を上げ、いかに適正価格で買ってもらうかに焦点があたってきました。価格戦略が注目される時代になってきたのです。
そもそも特売の弊害は、ブランドロイヤリティーを損なってしまうことです。「値段はこれくらい」という値頃感を下げてしまう。一度特売をしてしまうと、価格を上げたときに消費者の反発をかってしまいます。さらに、サービス業では顧客の入れ替わりが起こります。たとえば、ファストフード店が平日半額セールを行ったことで、中心顧客層が巨大な低価格購買層である中学・高校生へとシフトしました。顧客数は増えたけれども、混雑することで場の雰囲気、飲食環境は悪くなりました・・・(続きを読む) |