コンサルティングをしていて、昨今強く感じることは、開発現場の疲弊感が大きいということです。その主要因の一つには、製品仕様がなかなか決まらないことが挙げられます。ターゲット市場が絞りきれないため闇雲にラインアップが増えたり、仕様が高度化したりして、仕事がオーバーフローしてしまう。結局、納期も過ぎてしまう。こうした悪循環に日本の製造業は陥りつつあるように感じます。
では、どのようにすれば改善できるのでしょうか。この場合、まずは、適切な仕様を決定するのに必要な材料は何かを決めること。いわば、「顧客の要求や技術動向を可視化する」という「共通の言語」が必要です。その「共通の言語」を用いて、関係者間で、議論を深め、皆が納得できる意思決定を行うのです。
これは仕様決めに限った話ではなく、「共通の言語」を持つことは全ての活動をスムーズに行うための必要条件と言えます。
ここで、開発力強化に向けて具体的な業務改革の進め方を説明します。改革活動において最初にしなければならないことは、現状の認識です。ここが出来ていない企業は、意外と多いというのが本音です。現状の認識は、社員一人ひとりからヒアリングすることでもできますが、莫大な時間がかかります。そこで、我々はiTiD INDEXという、開発の生産性を測る指標を「共通の言語」として定義しました・・・(続きを読む) |