少し前までは50代に多かったうつ病が、今は20代、30代のサラリーマンに増えてきています。
その原因を調べていくと、彼らの多くは自分の感情マネジメントを学んだ経験がない。そして自分や相手の存在や価値を認めるさまざまな働きかけを「ストローク」と言いますが、この別名、「心の栄養」であるストロークが欠乏あるいは飢餓の状態の人たちが20代、30代で増加しているという事実が浮かび上がってきます。
ストロークには「条件付のストローク」と「無条件のストローク」がありますが(図1参照)、簡単に言えば、若年層サラリーマンのうつ病の背景には、この「無条件ストローク」の飢餓があると思われます。例えば上司にミスを指摘されただけでも、20代の若年層のサラリーマンは「自分は嫌われた。すべてを否定されてしまった」と思い悩む。
それは、彼らが子供の頃から勉強やスポーツでいい成績だったときだけ「よく頑張ったね」と認められる存在であったこと。つまり「条件付のストローク」でしか親からストロークを得られなかったことと深く関係しています。
一般に20代、30代のサラリーマンに対しては「彼らは褒めて育てなさい」と言われるのもそのためです。企業が売上目標などの「条件付のストローク」を与える場合でも、その前提として・・・(続きを読む) |