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Bizteria経営企画 Vol.18
成果主義の先にある会社組織とは
慶應義塾大学 大学院 経営管理研究科
ビジネススクール松下幸之助チェアシップ教授 経営学博士 高木 晴夫

 2008年の初頭のころの経営組織的メインテーマは、「成果主義の後をどうするか」ということでした。成果主義的な人事制度が実際に導入され、思ってもみなかった副作用、すなわち個人主義化の問題が出てきました。自分のことに熱心にならざるをえない状態になってきたのです。

 そこへ今年半ばのサブプライムローン問題、先月のリーマン倒産が続き、短期流動性も著しく悪化、不景気の引き金が引かれました。するとコストダウン、人切りが行われます。成果主義的人事制度を入れたことによって生じた組織問題へ根本的な解決を施さないうちに、人切りへ動かざるを得なくなった。これは非常にまずい状況です。

 フラット化という組織の仕組も、成果主義と同時にセットで日本企業に導入されました。階層数を減らすことでトップと現場の距離を短くする。欧米の外資系企業は、成果主義があった中にフラット化を入れた形になっていて、それをうまく動かすための知恵や工夫、経験の積み重ねがあります。一方で日本企業は、フラット化したところへ成果主義を入れたので、部分最適に走り、副作用に苦しんでいる。そこへ世界同時不況が来てしまいました・・・(続きを読む)

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