前回のVol.17掲載の「経営戦略の実行と経営企画部門の役割」でご説明させて頂きましたが、経営戦略立案後は、その期待された成果を上げるために、戦略の意思を現場レベルにまで浸透させて、全社レベルでの実行を促す必要があります。そのために有効な方法として、戦略への「息吹注入」をご紹介しました。「息吹注入」とは、戦略に対して、目標達成のコミットメントと同時に、「達成できる」という“効力感”と「絶対に成し遂げる」という強い“意志力”をもつことです。経営陣や経営企画室が策定した経営数値をもとに、各事業部門の責任者を巻き込み、企業が進むべき方向性を現場のデータと照らし合わせながら「DNA(らしさ)」と「顧客やマーケット環境」をリンクさせ、本気・本音の直接対話でプランニングを実施するという手法です。それにより“戦略立案のプロセス”自体が“使命感を醸成するプロセス”になり、「自分達で成し遂げたい」という意思を戦略に込めることができると考えています。
ご存知の通り、現在の企業を取り巻く環境は、過去に経験したことがないほど深刻な不況のただ中にあります。しかし、「不況だから」というネガティブな捉え方をするのではなく未曾有の経営環境と捉え、それをチャンスに変えるべく既に動き出している企業も多いとお聞きしています。そういった企業の経営幹部の方々は揃って、「組織を変革し、イノベーションを起こす必要性」を口にしています。何故なら、彼らはイノベーションを、活路を開く重要なファクターとして捉えていて、それは一人の人間が・・・(続きを読む) |