丹生氏(以下、敬称略) いま、世界的な経済危機に見舞われていますが、どのような感想をお持ちですか?
北村氏(以下、敬称略) 1929年に発生した前回の大恐慌では、33年にヒットラーが、36年にはスペインにフランシスコ・フランコといったファシストが出現。結局、第二次世界大戦が起こったことで、大恐慌は収束しました。今回は資本の過剰蓄積が、金融工学によってバブル化しました。解消するまでにまだ時間がかかると思っています。
丹生 カメラ・プリント業界としては、いかがですか。
北村 これは大変ですよ。大恐慌よりもひどい。デジタル化という技術革新によって大打撃を受けました。写真屋にフィルムがなくなったのです。これは、トヨタ自動車から車がなくなったようなものです。2000年に5億本出荷していた銀塩フィルムは2008年には3000万本に。3万店あったDP店も1万3000店になってしまいました。20年ほど前から、デジタル化の波が来ることは知っていました。けれども、ピンとこなかった。すると、2001年にデジタル革命という大津波に襲われました。まだ生き残っているのかと、周りから不思議がられていますよ(笑)
丹生 しかし、写真自体はなくなりませんよね・・・(続きを読む) |