日本をはじめとした先進国は経済を大きく発展させてきました。しかし一方で、生活の満足度や個人の幸福度は上がっていません。むしろ下がってしまっている。豊かな生活を実現したはずなのに、自殺者や鬱病になる人も多い。これは会社と個人の関係でも言えることです。会社の目標や方向性に対して、社員と共有できているかどうかを調べた調査の結果があります。それによると、共有できているのは全体の7%だけ。70%は共有できていないと答え、残りの23%は共有どころか会社に反発しているという驚くべき結果でした。日本企業は欧米企業と比べて、共有できていない人が多いそうです。
これを聞いて、以前訪れた世界的に有名な日本企業を思い出しました。ちょうどお昼頃お伺いしたところ、昼食へ向かう社員がみなゾンビに見えたのです。表情がなく、重い空気に包まれていました。
このままで、今の厳しい経済状況から抜け出し、新たな事業を展開させることができるのでしょうか。社員一人ひとりのパワーが発揮できるような環境を作らなければ、企業の将来は危ういと考えています。
多くの企業を見ていると、大きく二つの罠に陥っているように思います。ひとつは、危機を感じているからこそ、早く売り上げを上げたいとか、結果につなげていきたいという「超短期思考の罠」・・・(続きを読む) |