日本版SOX法施行から1年が経過し、「財務報告に係る内部統制評価と報告」を本格的に実施する状況となっているが、日本版SOX法の真の意味合いは「有価証券報告書等の財務報告に係る書類に記載された内容に誤りや不正がないことを保証するために、企業内における管理体制を整備・構築すること=内部統制体制を確立すること」に他ならない。
一般的に、業務改革イコール経営の効率化というとらえ方をする経営者は多いが、日本版SOX法の真の意味を加味しつつ、財務戦略面から業務改革の真のポイントを明らかにしてみたい。
内部統制体制とは、企業において各事業部門が業務を遂行する過程で発生する様々なリスクや問題点を洗い出し、それを分析し予防策を考えながら業務行程の改善・改革を継続的に実現してゆく体制を整備すること=「統合的リスク管理体制」を構築することと表現することがでるが、基本は「企業価値を高める為の経営手法」のひとつに他ならなく、今回の制度は、当該体制を個々の企業が確立し、「経営者」「職員」全てが同一の基準で業務遂行できる行動規範を構築すると同時にその内容をステークホルダーに対し正確に開示する為の「共通の尺度」を標準化するものと考えることができる。
リスク=「危険:危機」とは何か考えた場合、企業経営における「将来の問題または・・・(続きを読む) |