サプライチェーン・マネジメントとは“サプライチェーン”を“マネジメント”することです。ゆえに企業の組織内で“サプライチェーン”とは何を指しているのか（サプライチェーンの定義）と“マネジメント”のポリシー（管理の基軸）をしっかり持つことが重要です。この2つをベースにし、管理をプロセス化して行くこと、そのための必要な道具としてのITであること、これを日常すべての組織階層において活用する動機付けが必要になります。

　しかし、現状のシステムは伝票を左から右へ流してゆくという、担当者の道具になっているのが現実ではないでしょうか。その理由は、システムを構築するときの要件定義が業務プロセスの定義にとどまり、企業管理の基軸を要件に盛り込んでいないのが原因です。マネジメントに役立つシステムにするにはマネジメントポリシーをしっかり確立する必要があります。

　ではそのマネジメントを行うための基軸とは何なのか、それが、図1の中に示したMPCが考えるマネジメントポリシーです。

　「事前対応」とは、問題が発生する前に未然に防ぐというポリシーです。そのためには･･･(続きを読む）