多くの企業において、経験的な知見はあっても、科学的根拠に基づいた採用や育成をあまり実施していないのではないでしょうか。例えば採用に関していえば、面接官の主観に頼ってしまったり、他社が実施しているからという理由でグループワークを実施したりしていないでしょうか。本来、適切な採用活動には客観的な評価が必要ですし、その背景には経営学や心理学、教育工学などさまざまな学問があります。採用もまた、採用学というサイエンスなのです。

　図1は、採用活動と人材育成の関係を示したものです。この図では、「平衡要素」と「拡張要素」が示してあります。平衡要素とは、動機や意欲などのように、時によって上がったり下がったりするものをいいます。一方、拡張要素とは、知識やコンピテンシー（活躍するために普遍的に必要な行動特性）のように、積み重ねていくことができるものです・・・(続きを読む）