内部統制の必要性を理解するには1度株式会社の歴史を振り返る必要があります。世界で最初の株式会社は17
世紀の東インド会社で、国から個別的に組織の設立許可をもらう特許主義という形で作られていました。この株式会社という形態は事業を行う上で効率がよいことが分かり次第に広まって行きました。次に資本金や従業員数など一定の要件を満たしていれば設立が行える準則主義が一般的になり、日本の商法でもこの考え方を採用しました。
そして昨年、会社法が施行されて新しい制度になり、最低資本金制度の廃止や取締役人数の下限の撤廃など会社設立のための要件が事実上なくなったのです。同時にM&Aや企業再編も行いやすいルールに変更されました。このような一連の制度改正によって経営の自由度が相当高まったのです。しかしその一方で経営者には、よりいっそう重い責任が生じました。経営者は会社内の従業員を使って会社をきちんとコントロールし、運営しなくてはいけないとより強く要求されました。これが今日の内部統制の強化です。
よく内部統制についての説明で、米国ではエンロンやワールドコムなどの不正会計に端を発して法律が整備されたという言い方がありますが、これらの企業不祥事は、たまたま象徴的であったために取り上げられているに過ぎません・・・(続きを読む) |