これまでのIT は業務を行う上で補助的に必要な道具として見られることが多かったのですが、現在では企業経営における重要性は非常に高くなっています。企業を人に例えるなら、IT は酸素や栄養素を全身に運ぶ血管・血液に位置づけられます。この「血管・血液」が組織の末端まで行き届き、機能を十分に発揮できるようにケアしなければ、動脈硬化になり、致命的な事態を引き起こすことにもなります。このように単なる道具ではなく、企業を健全に維持し、ビジネスを成長させる為にIT は必須なものになってきています。従ってIT ガバナンスの構築は企業経営に直結すると考えるべきです。
IT ガバナンスの構築において経営者がまず行わなくてはならないのはIT戦略構築です。企業経営ではヒト、モノ、カネなどの経営資源を使って収益を上げなくてはいけないのですが、このときにIT をどういう方針で活用していくのか明確にする必要があります。つまり、「IT にどれだけ投資するのか」、「自社のビジネスをどうIT 武装していくのか」のようなIT 活動のポリシーを策定し、社内にそれを知らしめて、きちっと運用しなくてはなりません。IT 統制に経営者が直接関与することで、全従業員に対して「IT ガバナンスの構築を全社的に推進するのだ」という強いメッセージが伝わります。一種のアドバルーンを揚げるような効果が・・・(続きを読む) |