Home > Vol.8 > 組織力の醸成
Bizteria経営企画 Vol.8
環境変化の中で生き残る組織
慶應義塾大学 大学院経営管理研究科・ビジネススクール 松下幸之助チェアシップ教授 髙木晴夫

 企業を取り巻く環境の変化が激しいとよく言われます。確かにそのとおりなのですが、実はいつの時代にも経営環境の変化はあります。環境変化の激しさは学術的には現在だけのことではありません。今の社会の状況を、もう一歩踏み込んで言うと、変化そのものが不連続に起きているということです。つまり、単に状況が変化しているのではなくて、これまでになかったことが起きるという意味で、変化の質が変わっているのです。これは10 年前くらいからずっと起きている現象です。不連続の変化が常態化していると言えるでしょう。この常態化している不連続の変化の例として、人々の関心や消費者ニーズのサイクルが非常に短くなってきていることが挙げられます。インターネットなどの進展により、情報の流通するスピードが非常に速くなりました。この結果、ネット上で次々と新しい情報を入手することができるようになり、消費者ニーズが加速度的に変化しています。このような変動が企業の直面する課題を作ります。マーケティングや商品企画などでは次々と新しい施策を講じなくてはならない状況です。

 企業経営が難しさを増す中、企業は今後も成長を持続させるために、様々な改革を行ってきました。しかし、その多くは成功しているとは言い難いものです。なぜ経営革新に失敗するのか。それは変革に迫られてから変革に取り組むからです。変革に迫られる時というのは・・・ (続きを読む)

Copyright (C) 2007 Bizteria. All Rights Reserved.