企業内で働く従業員の多様性が拡大しています。ここ数十年で、終身雇用神話が崩れ、人材の流動化が進み、キャリアに対する考え方も変化してきました。また、国籍、性別、宗教など様々な点において、考え方、働き方または会社との関わり方が異なるメンバーと共同で仕事を行わなくてはならない労働環境が増えています。
このような状況下で、企業はさらなる業績の拡大や効率的な経営を行う必要に迫られています。今後も高い競争力を維持するために、この多様性のある人的資源をどうマネジメントするか、難しい課題を抱えているのです。
このような社会構造の大きな変化により、企業変革が必要となっているのですが、企業変革に成功している企業はごくわずかしかありません。失敗する原因は、導入した新しい制度そのものよりも、その運用にあたっての土壌ができているかどうかにあるのです。例えば変革のために成果主義を導入したとすると、成果に着目するという考え方自体は良いのですが、評価の対象になる成果について上司と部下の間で認識のギャップがあったりします。これは日ごろのコミュニケーションが不足していることによるものなのですが、制度そのものが悪いとすりかえられてしまいます。
また、運用に必要な土壌として、社員1 人1人の自立性、主体性・・・
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