聞き手:最近、管理職と若手社員・中堅社員との間のコミュニケーションがうまくいかず悩んでいる企業が増えている様ですが、何か社会的な原因があるのでしょうか?
斉藤氏:そうですね、最近の若者はあまり他人とコミュニケーションをとらない傾向にあるのですが、これは彼らの育った社会環境に原因があると思います。核家族化や地域コミュニティがなくなったことなど様々な要因により、彼らが成長する過程において、人間的なぶつかり合いや、他人に対して自分を表現する機会が極端に減ってきています。その結果、言葉そのものを良く知らない、感情をうまく表現できないなど、表現力が低いままで成人を迎え社会に出る若者が増えています。これは大手企業においても同様で、学歴や知識はそれなりにあっても、コミュニケーション力が著しく低い若手社員・中堅社員が増えています。
聞き手:なるほど、大手企業でもコミュニケーションが課題になっているのですね。
中原氏:クライアントから人材開発のことでよく相談を受けるのは、現場ですぐに実践できるコミュニケーション能力やリーダーシップを教えて欲しいという要望です。ただ、コミュニケーション以前に論理的な思考法を学ぶ必要があることが多いのが現状です・・・
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